残念な事に2001年よりデモフライトが無くなり、今後は横田同様、ショー前日、後日の展示機の離着陸を撮る、ショー当日の地上展示を撮るだけになってしまいそうです。

私は神奈川出身ということもあり、高校生の頃から1996年まで、殆ど毎年厚木のオープンハウスに通っていました。
デモフライトは多分に見応えがあり、ショーンタッカーなど世界クラスのアクロパイロットを招待したり、土日双方に開催されて天候リスクが減るなど日本の航空ショーとしては最も米国型に近く毎年楽しみでした。

ビールの安売り、ハンバーガーやタコスの食事等完全にアメリカ的体験も結構好きでした（米国に住んでいる今は、ビールはスーパーで一缶５０セント位ですし、ハンバーガーやタコス等は本当に他に食事の選択の余地が無い場合にガマンして食べる状態で、何であの頃あんなに喜んでいたのか不思議ですが）

ただ、F/A-18、A-6、F-14等のデモフライトの時、周囲の住宅上空を低く飛ぶので近隣の住民の騒音や安全に対する心配、迷惑、苦情は察して余るものがあり、航空ファンとして飛行展示が無くなったのを寂しく思う反面、ある意味ではほっとしています。
所詮首都圏近郊の住宅地に囲まれた飛行場で盛大なジェット戦闘機の機動飛行を含む航空ショーを実施するのは無理があったと考えざるを得ません.

航空ショーでの飛行展示が無くなっても、相変わらず通常訓練は行われています。
厚木は比較的撮影環境の良い基地ですが、近隣の住民感情も忘れてはいけない要素です。

２０００年の夏に私はアメリカ人２人と共に、藤沢市にある自分の親会社に出張しましたが、丁度空母が入港しているときでジェット機の大音響で打ち合わせが何度も中断されました。
アメリカ人の内1人は「うるさいな〜」という顔をしていましたので、「お前の税金で買った飛行機で、お前の選んだ大統領が、世界の平和を守るという絵に描いた餅の大義名分の為に、人の庭に爆音を撒き散らしてるんだぞ」と言おうと思いましたが（日米関係を悪化させないよう）止めました。
もう一人はサンフランシスコ近郊に長年住んでいた人で「フリートウィークみたいだ」と喜んでいたので、「フリートウィークは年に２日、練習を入れても４日のお祭りで、しかも飛行は午後の短い時間だけ。対する厚木は空母入港中は毎日、毎時間の轟音でお祭りなんてとんでも無いぞ」とこれまた言おうと思いましたが止めました。

今後は三沢など騒音問題の殆ど無い場所で、今までの厚木よりも更に内容の充実した航空ショーが開催されることを期待します。

航空ショーの前日に、地上展示の為飛来した9RW 5RSのU-2S。
ランウェーエンド近くの撮影だが、すぐ近くにマンションが立ち並び、騒音の酷さが容易に想像出来る。

今後は見られなくなるジェット機の飛行展示。
これはDiamonds of Diamondsという、４×４＝１６機の大編隊による飛行。
F/A-18の本拠地リムーアや、EA-6の大御所ウィドビーアイランドでもこのような見事な編隊飛行にはお目にかかれなかったので日本にいるファンは大変ラッキーであった。

VA-115のA-6Eイントルーダー NF-511 が、VAQ-136のEA-6Bプラウラー NF-624 にデモの空中給油をする。
A-6は退役してもう見られない。

CVW-5のF/A-18Cによる編隊飛行。
日本の航空祭に合わせたのか、厚木のWingsではアメリカのエアショーよりも編隊飛行が充実していた。

飛行機のアップならばWingsではなく通常訓練時に基地外から撮影した方が良い。
夕日を浴びてVA-115のA-6E NF-507 が着陸する。

こちらはF/A-18C NF-300 VFA-192 ゴールデンドラゴンズCAG機の降り。
CAG機は皆Wings当日は地上展示される。

CAG機塗装の頂点がVFA-195のF/A-18C Bu.163758 / NF-400 チッピー・ホー！
本国から離れて目が届かないのを良いことにやり放題なのか....しかしさすがに派手すぎたのかこの後、鷲の頭の塗装は尾翼に移動してしまった。

厚木というと米海軍ばかりが注目されてしまいますが、海上自衛隊も頑張っています。
これはWingsの航空ショーで、海上自衛隊の第6航空隊のP-3C 5072 による、エンジン２発での飛行デモ。