浦島太郎、百里基地航空祭へ行く


2009年9月13日02:00AM、僕は北関東自動車道を東に進んでいた。
向かうは百里基地。インターネットなどで情報を集めた結果、昔と同じく、「やっぱ今も渋滞するでしょう」と言うことで朝4時到着を目標に車を飛ばしていた。
実は、日本の航空祭に行くのは13年ぶりである。
車を運転しながら、最後に行った航空際のことを思い出してみる....
1996年の新田原航空祭。
快晴の空の下、アグレッサー、ファントム、イーグル、F-1、T-1、C-1、....航空自衛隊総出演とも思える大満足の航空ショーを堪能してから帰路についた。
撮影フィルムは富士ベルビアのみ30本(前日の築城を除く)。フィルム代や現像代で結構な出費、更に九州往復の高速代もかなりのものになる。高速代はハイウェーカードで払った。一番割引率の良い5万円のカード1枚で は往復高速代をまかないきれなかった....
次の年から海外に赴任することが決まっていたので、これで日本の航空祭とはしばらくお別れ。出費は惜しくなかった。

海外に行くことに不安は無かった。日本の航空ショーを当面見れなくなることも余り寂しくなかった。
最後に新田原の航空祭を見れて満足していた、ということもあるが、なんといってもこれから行く先はアメリカである。しかも西海岸。ミラマー、エドワーズ、リノ、チノ....そしてウォーバーズ。僕はこの転勤話 に飛びついていた。

アメリカには6年居た。航空ショーを堪能した。ホームページを作って写真を公開した(このサイトね)。
日本に帰ったのは2003年。勤務先が藤沢でFA-18やP-3Cがひっきりなしに飛ぶ。
そろそろ日本の航空祭に行こうか、ブルーインパルスでも久しぶりに見るか、と思ったがこの年は天候不安定で、しかも仕事も家庭も忙しく、結局、横田基地公開で地上展示を見るだけで我慢していた。

その年の秋、航空祭シーズンも始まるのでいよいよどこか行こう、と思ってる矢先、役員室に呼び出しを食らい、「日本に帰って間もないけど、来年早々ドイツに行ってくれ」と言われる。
「え〜〜〜っと、 もちろん行きます!」即決である。例え海外から帰国して1年も経たずに別の国に飛ばされようとも、サラリーマンに断るという言葉はない。それどころか、もう頭はすでにドイツに飛んでる。
ドイツかぁ。ドイツと言えば...メッサーシュミット。フォッケウルフ。ハインケル。ドルニエ。ユンカース。リヒトホーフェン。ハルトマン。ついでにビール。
何だか楽しそう。(えっと、一応仕事に行くんですけ ど)
んで、この転勤の内示をもって日本の航空祭の事は完全に忘れた。

往年の航空大国ドイツだが航空ショーは大したことは無い。しかし、なんだ...とナメてはいけない。敗戦国にしては航空博物館の大戦機は充実しているし、航空ショーは隣国のオランダ、ベルギー、フランス、スイ スに見に行けばいい。週末
には家の上空を遊覧飛行のJuオバハンが飛ぶのもナイス。いつも天気が悪いのには閉口したし、他の遊びにも忙しかったが、それでも航空ショーには通った。航空ショーでは飛行機がやたらと 遠くを飛ぶのにも慣れて(諦めて)しまった。

で、気が付いたら10年以上日本の飛行機を見ていない。日本の飛行機なんて、帰省の時にANAに乗る位だ。ちなみにJALは昔から好きでないのでなるべく乗らないようにしてる。
もう日本の飛行機は気にならなかった。F-86時代からの歴代ブルーインパルスの展示飛行を見た回数とブルーエンジェルスを見た回数が同じになったことも、T-4ブルーインパルスよりもパトルイユフランスを多く見たこ ともどうでも良かった。
航空ショーで知り合ったイギリス人マニアに「F-2の写真持ってる?」と聞かれても「無い」と答えた。相手は、僕が日本人なのに何で持って無いんだ、と不思議そうにしてたが、F-2は写真を撮るどころか見たことも無 い飛行機だ。
いずれまた日本の航空祭には行けるだろう。とりあえず今はどうでもいい。
日本の航空雑誌は殆ど買わなくなり、自衛隊の情報は知人のメールとインターネットからしか入らなくなった。T-33が(ついに)退役したとか、アパッチを導入した途端に本国で生産中止になったとか、61式戦車が退役 したとか、OH-1が配備されだしたとか、日本も着々と変わっているのは知識として判ったが、この目で見てないので、遠い国の出来事(実際、ドイツと日本は飛行機で12時間と遠い)みたいで実感は無かった。

結局、ドイツには5年居て、日本に帰ってきたのは2009年春。
しばらくは日本の気候、文化に心身を慣らし、引越し荷物を片付けて、車を買ってETCを付けて、家電を買って、光回線を引いて...と忙しい日が続く。

そうしてやっと落ち着いてきたので、ついに、百里の航空祭でも行くか...という余裕が出てきた。
そうと決まれば早速撮影準備のため手持ち機材の点検をする。
カメラ、良〜し!
レンズ、良〜し!
電池、良〜し!
記録メディア、良〜し!
エアバンド受信機、良〜〜〜くない??げ!壊れてる。
ヨーロッパの多くの国で航空無線傍受は違法になるので(イギリスはOK)5年間の
ヨーロッパ滞在中まったく使わず、最後にアメリカで使ったきり放置しておいたのがいけないのか、あるいは受信素子に寿命があるのか、 信号が殆ど入らない。
しょうがない、新しく買いに行くか、とネットで情報収集して秋葉原のラヂオ会館へ。

最近の広帯域受信機を手に取ってみると、どれもやたらと本体が小さくなり、メモリーが大きくなり、電池の持ちが長くなっている。しかも安い。
何という進化!
でも考えてみたら古い受信機は17年位前に買ったもの。
この頃はやたらとデカいアナログ携帯電話をセレブな人たちの一部(&ヤクザな人たち)が所有しだした頃なのだ。
んでもって、広帯域受信機でアナログ携帯電話の内容が聞けるという、個人情報タレ流しのおおらかな(?)時代だった。
あれから15年以上経って携帯電話はやたらと進化し、カメラが付いたりテレビを見たりナビをしたりゲームをしたり音楽が聴けたりネットにつないだりと、やたらと機能が付いた割りに恐ろしく小さくなり、電池も長持 ちするようになった。
通話料込みの値段も昔の固定電話以下で、今や小学生のガキお子様もケータイを持ってる。
もちろん盗聴し放題なアナログ携帯は死滅した。
そう、同じ無線機器同士、携帯電話が進化するように広帯域受信機も進歩している。
携帯や無線機だけではない、最後に新田原に行った1996年から今日までの13年間に、世の中進化してたのだ。
・ウィンドウズは95からVistaへ。とはいってもこのホームページはXPで書いてるけど。
・56Kモデムが高嶺の花だったのに今や光ケーブルが個人の家庭に
・フィルム代、現像代のかからないデジカメが完全に普及した。トリミング、調整、フィルタもデスクトップで出来る。何と便利なものか。
・昔は群馬の自宅から百里まで一般道で4時間かかったのだが今や北関東自動車道で2時間。
・しかもETC割引。残念ながら北関東自動車道がつながってないので1000円では行けないのだが。
・車といえば街中はもはやエコカーばっか。昔はオフロード4駆とか溢れてたのだが。
・脅迫的なゴミ分別。いつのまにか導入されたゴミ専用袋とか意味あんの?
・今や、テレビつければエコの叫びばっか。集団催眠みたい。何時からこうなっちゃったんだろう。ちなみに僕は地球温暖化は信じない。あれはアラブが石油利潤でもうけすぎないように、新興国が発展しすぎないよう に、そして環境ビジネスと称して新しい需要を見出そうとするための陰謀に違いない。それにまんまと乗ったオメデタイのが日本じゃないか。
ちなみに環境にうるさいはずのドイツでは皆燃費の悪いドイツ車に乗り高速を200kmで走り(これをやると大抵の車は燃費が恐ろしく悪くなる)、ゴミは分別せず、ペットボトルは保証金を取らないと誰もリサイクルに回さ ず、そしてオフィスの冷房は凍えるほど冷たかった。
・そして、自分的には結婚したり中間管理職になったりと、飛行機を見に行くには逆境が増えた。そんなことではメゲないけど。

まあこんな訳で、アメリカとドイツで遊び呆け仕事に明け暮れている間に随分と世の中は変わった。
10年一昔というから、13年は一昔ちょっとである。
そして13年ぶりの日本の航空祭。
一応出戻り、ってことなんだろうか。さあ、どの位変わったんだろうか?
ということで以下、13年ぶりに行った航空祭での写真とコメント。

T-5 生まれてはじめてみた
いつのまにか大好きなT-3は居なくなってた。
代わりのT-7...形が何かなぁ。ナンとなく無機質になったというか何か。
好きになるには時間がかかるかも。

F-2A ああ税金無駄使い
13年前に岐阜でXF-2は見てるんだが、実戦部隊のF-2は初めて見た。
イギリスの空港で立ち読みした「世界の飛行機失敗作」にも掲載されてたF-2。
ホークアイも然り、アパッチの件といい、税金無駄使い多すぎ。
一般企業でこんなことしてたらとっくに潰れてます。
次回F-Xはもう少し慎重に頼みます。

uh-60 青くなっちゃった
救難隊といえば黄色と白でしょう。
それが、いつの間にか油粘土色になっちゃって。
これも、慣れるまでに時間かかりそう。
MU−2やバートルも居なくなった。

F-4EJ改 尾白鷲
尾白鷲ファントムは北海道千歳基地、という所で記憶が途絶えてた。ということはさすがに無い。
しかし、沖縄に配備されていたので本土では殆ど見る機会の無かった302飛行隊のF-4EJ改が百里にドッサリと居た。
いいんでないかい。

RF-4 近い
やたらと塗装が汚いRF-4E。もうず〜っと塗りなおしてないんだろうか。っていうか、昔から結構汚かった。
シャークティースだけはキレイ。鮫口で注意書き塗りつぶしちゃってるけどいいのか。この鮫口、昔の米空軍の真似?
それにしてもヨーロッパじゃ考えられないほどの飛行機との近さ。この点、やっぱり日本の航空祭はイイ。

ブルーインパルス もうカラースモークは見られない
明らかに課目間の時間が短くなりテンポの良くなってるT-4ブルーインパルス
昔は練習日にだけ見れた純白のスモーク。
本番当日はカラースモークだったのだが....
カラースモークを返せ〜っ!




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