サウスウェスト航空で飛ぶ
アメリカの代表的LCC 搭乗の記録 2002年11月搭乗
サンノゼ〜フェニックス経由〜オースチン 往復

サンノゼ空港
火曜日の昼3時ちょっと前、サンノゼ国際空港のターミナルAに到着。
ここはアメリカン航空とサウスウェスト航空のみが使用している。

出発予定表
とりあえず画面で出発時刻を確認。乗るのはサウスウェスト航空1076便でフェニックス経由オースチン行き。
予定通り出発なのでまずは一安心。
画面下に機内持込は一個まで、と書いてあるが以前は2個までOKだった。同時多発テロ以降1個に制限されてしまった。

カウンター
サウスウェスト航空のカウンター。
長びく不景気とテロの影響で乗客が少ないのか、隣のアメリカン航空のカウンター共々ガラガラ。
ここで搭乗券をもらう。今回は仕事に必要なものは事前に送ってあるので身軽な旅。従って荷物は預けない。

搭乗券
これが渡された搭乗券。大きなAは乗り込み順番のこと。Aグループの人は搭乗受付30名(だと思う)。以降B,C,D....と続く。
座席番号がなく、席は早いもの勝ち。この座席指定をしないことがサウスウェスト航空の大きな特徴で、個々の客の座席希望を聞いて処理する手間を省略して予約・搭乗手続き時間と人件費を節約している。
席が予め決まっていないので,例え間際に買ったチケットでも空港に早めに行けば好みの席に座れる。
以前はゲートで番号の書かれたプラスチックの板を配布して、「1番〜30番まで」という風に呼び出して搭乗させていたが、この伝統的な板が廃止されてしまったのはちょっと残念。

セキュリティ
鬼門のセキュリティに並ぶ。去年の今ごろはM-16ライフルを持った州兵(National Guard)が警備していたが最近は居ない様だ。
手荷物は勿論、携帯電話・財布・鍵など携行物をX線に通すように言われる。オープンチェック(英語ではハンドチェック)はテロ事件以降一切不可、フィルムはISO400までは大丈夫と言われる。ということは、これ以上の感度が必要な場合は目的地でフィルムを買い、撮影後現像を済ませる必要があるということ。鉛の保護袋に入れる方法もあるけど少しでも穴があるとダメ。まあ、飛行機と風景の写真を中心に撮影している私には高感度フィルムは縁の無いものだが。
抜き打ちで乗客を選び、靴を脱がせて靴だけをx線にかけたりしている。この抜き打ち、人種や宗教、年齢、性別を基準にすると差別になる。高校生くらいの女の子が靴を脱がされている所を見ると本当にランダムなんだろうか。それとも検査官には「女子高生徹底チェック」という崇高な趣味があったりして....
セキュリティ強化で時間がかかる為、同時多発テロ以降は出発時間の90分前(季節・空港により若干異なる)に空港に来い、といわれる様になった(ちなみにそれ以前は60分前)。
今回はセキュリティがガラガラあっという間に自分の番になる。

マック
無事セキュリティを通過。ゲート前には飛行機を待つ人の時間潰しの為様々な店が並ぶ。
これは日本でもお馴染み、代表的なファーストフード店のマクドナルド。
こういう手合いの物を食べなくて良い様に、昼食はちゃんと済ませてきた。

スタバ
これも日本ですっかりお馴染みになったスターバックス。
飛行機を待つ間、ボーイングの旅客機ばかりが目の前に並ぶターミナルで、スターバックスのコーヒーを飲みながら、マイクロソフトのOSの入ったラップトップコンピューターで仕事をするシリコンバレーの人たち。もう気分はシアトルだ。でもここはサンノゼ。外は晴れているしイチローも居ない。

土産
みやげ物、雑誌、スナックを売る店。シリコンバレーらしく、シリコンウェハー(模造品?)なんてのも売ってた。サイズは6インチだとおもうけど、せめて8インチにしてもらわないと....
空港の店らしく、値段は高め。

VC-25A 82-8000 エアフォースワン
みやげ物屋に売っているVC-25Aエアフォースワン(82-8000)と、リムジン・SP車両・ヘリのセット。スケールがバラバラなのはしょうが無いとしても、飛行機はどうみても上部デッキが長くウィングレットのあるB747-400系だ(VC-25AはB747-200系ベース)。勿論機首の空中給油口の出っ張りとか、追加されたアンテナ類とか、最後尾の赤外線ミサイルジャマーとかは付いていない。

国際線ターミナル
暇だから最近オープンした国際線ターミナルを覗いてみる。国際線の発着の無い時間帯なので誰もいない。まるでゴーストタウン。椅子の綺麗さがかえって哀愁を誘う。一時はサンノゼからの台北便やパリ便もあったが、現在国際線はメキシコと日本にしか飛んでいない。

ゲート前
出発時刻が近づき、ゲート前に待つ人も増えて来た。

旧塗装
これから乗る飛行機、N315SW(ボーイング737-3H4)が到着。
この機体は1996年にダラスで悪天候の中、着陸直後に滑走路を外れ灯火を破損する事故を起こしているが幸いけが人は無し。サウスウェスト航空は死亡事故の無い、比較的安全性の高い航空会社。

エアボーンエキスプレス
左の窓側に席を確保。
サンノゼの滑走路30Rに向けタキシーが始まる。貨物地区を通るとAirborne ExpressのB767(元全日空)が見える。

BAX
こちらはBAXのDC-8。
11月下旬の、午後4時半頃の撮影なので夕日を浴びている。

ハミルトン山
サンノゼ空港を離陸して上昇中。シリコンバレーを見下ろすハミルトン山の頂上にはLick望遠鏡がある。

夕暮れ
離陸後まもなく日が暮れた。
サウスウェスト航空はフレンドリーでユーモアたっぷりのクルーでもお馴染み。
今までの経験では、
・パイロットがずっと窓の左右の景色を解説して観光案内
・スチュワーデスがサウスウェスト航空を称える替え歌を熱唱
・空いている便で、「ライバル会社に満席と思わせる為に、皆さん出来れば窓際にお座りください」
といった具合。
今回のフライトでは、ビールを買おうとした乗客のお釣りが無く、機内放送で
「どなたか5ドルくずれませんか?1ドル札五枚。あるいは1ドル札4枚と25セント硬貨4枚でも結構です。1ドル札3枚と25セント硬貨8枚でも結構です。1ドル札4枚と10セント硬貨10枚、1ドル札1枚と25セント硬貨16枚....えっと、誰か両替してくれるまでず〜っと続けますよ」と言ってウケてた。勿論無事に両替出来た。

対面シート
これがサウスウェスト航空独特の対面シート。何か昔の国鉄の車両みたい。後ろ向きに座ると、離陸上昇中は体が前に放り投げられそうな感じで不安になる。着陸停止時は背中で減速を受けるのでとても快適。リクライニングしないのが難点。最前列と、機体によっては中央の非常口が対面シートになっている。ただし最近の機体は対面シート無しもある。
尚、サウスウェスト航空はファーストクラスが無い。他の航空会社だと、私が乗り込む時には、先に搭乗して無料アルコール片手にくつろぐファーストクラスの乗客が「貧乏人が来た来た....」といった感じで見るのでイヤな思いをする。
その点、サウスウェストは庶民の味方。

操縦席
時差の関係もあり、テキサス州のオースチン空港に到着したのは深夜の11時。
降りる前にコックピットの写真を撮らせてもらう。

テキサス
かつては空軍基地だったオースチン空港。
インフォメーションデスクの後ろにはローンスターの旗が。テキサスだよなぁ。

ホテル
ホテルに到着。
不景気のせいか値段が安い。この部屋は最上階レベルで98ドルなり。
一人で寝るからベッドは一個でいいんだけど....

オースチン
ホテルからだだっ広いオースチンを眺める。

テキサスのナンバープレート
レンタカーのナンバープレート。スペースシャトルが飛んでるけど、これはヒューストンに因んで。
勿論最近テキサス上空で空中分解してしまった事故とは関係ない。
中央の赤い部分がテキサス州の形で、テキサスインスツルメンツ社(半導体メーカー)のロゴでもお馴染み。

銃持ち込み禁止
出張した取引先の建物入口。
銃持ち込み禁止、ってわざわざ書く所がテキサス。

テキサス州議事堂
オースチンは州都なのでテキサス州会議事堂がある。
とにかくバカでかい(いわゆるテキサスサイズ)。

ビール
翌日、無事に仕事を終えて、オースチンの地ビール「シャイナーバー」で乾杯。食事は勿論テキサス名物のステーキ。オレンジ色に見えるのはさつま芋の付け合せ。

新塗装機内
早朝、帰りの飛行機に乗り込む。青と赤の新塗装の機体。内装も座席の色が違う。

朝発ち
6時半に離陸して間もなく夜が明ける。

洗面所
トイレの様子。手洗い石鹸にサウスウェストの名前と飛行機の絵がある。

朝食
これが配られた朝食のコーヒー、ビスケットとピーナッツ。
早朝以外はピーナッツとドリンクが配られる。自分で食事を持参してもOKなのでおにぎりを持ち込んで食べてた事もある。う〜ん、日本人!
そういえば先日乗った時には、スチュワーデスが"Steak or Chicken?"(ステーキにします?鳥肉にします?)と聞きながらピーナッツを配ってた。これには爆笑。

グアダルーペ国立公園
テキサスの最高峰、グアダルーペ・ピークが見える。付近は国立公園になっている。

ホワイトサンズ
丁度テキサスとニューメキシコの州境上空を飛ぶ。
ちょっと霞んでいるけど、右奥に見える砂丘地帯がホワイトサンズ国定公園。
近くには空軍のミサイル実験場やステルス攻撃機F-117の配備されているホロマン基地がある。また、世界初の原爆実験が行われたアラモドードも近い。

噴火口
ニューメキシコ上空。火山の噴火口がいくつも並ぶ。

山脈
ニューメキシコからアリゾナ州に入る。
この辺は荒れた山ばかり。アメリカの砂漠地帯はこのように荒れた険しい地形が多い。

露天掘り
経由地のフェニックスに近づき高度が下がる。眼下には巨大な露天掘りの鉱山が見える。

KC-135
アリゾナ州のフェニックス空港に到着。民間空港として大きな規模を誇るが軍とも共有で、アリゾナ州空軍(Air National Guard)のKC-135空中給油機が沢山並んでいる。

経由地
殆どの乗客はフェニックスで降りてしまった。このままサンノゼまで行く人は機内に残る。

機内掃除
スチュワーデスが機内の掃除を始める。
地上職員はトイレ掃除と飲み物の補給をする。
パイロットは交代するけど他の乗員はそのままサンノゼまで行く。

貨物
窓の外では荷物の積み下ろしが行われている。乗客の機内預け荷物だけではなく、航空貨物の受託も行っている。沢山のDellコンピューターが運び出されるのが見える。

フェニックス空港
フェニックス〜サンノゼへ行く乗客を乗せて離陸。
空港の巨大な立体駐車場が見える。

フェニックス市街
小山の並ぶ砂漠地帯のフェニックスを見る。近辺には巨大なサボテン「サワロ」(弁慶サボテン)が群生する。

飲み物サービス
今日2度目の飲み物サービス。
食事サービスをしないこともあり、カートを使わないで飲み物は希望を聞いてトレーから配る。
これもサウスウェスト航空の大きな特徴。

コロラド川
アリゾナ州とカリフォルニア州を区切るコロラド川。グランドキャニオンを通る川でもある。
川の右と左で随分様子が違う。右の農業地帯の方がカリフォルニア。

ソルトンシー
運河の決壊事故で出来た巨大な塩水湖のソルトンシー。湖の南端近くにはブルーエンジェルスが冬季訓練を行うエルセントロ基地がある。

モハビ砂漠
機内の、特に後方は空いているので自由に席を移動出来る。進行方向右側から外を見る。一帯は砂漠地帯で、その多くは軍の演習場になっている。

飛行場
飛行場が見える。

活断層
日本と同様、カリフォルニアは地震地帯。その元凶となるサンアンドレス断層が見える。

雲海
サンノゼに近づくにつれ雲が増えてきた。
雲に向かって徐々に高度を下げる。

着陸
サンノゼ空港へのファイナルアプローチ。眼下にはフリーウェーI-880号線が見える。
新塗装
これが帰りの飛行機。サウスウェスト30周年を記念した新塗装機で、他の機体も徐々に塗り替えられる。
サウスウェスト航空は機種をボーイング737だけに統一し、整備や訓練の手間と費用を削減している。




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