Wings over Houston airshow
ヒューストン航空ショー


スペースシャトルやアポロとの交信「こちらヒューズトン」で名高いNASAスペースセンター隣の飛行場(エリントンフィールド)で毎年行われる大規模な航空ショー。2001年10月20,21日に訪問。
このエリントンフィールドはF-16を装備するテキサス州空軍、AH-64アパッチを有するテキサス州陸軍、ご存知NASA、CAF(コンフェデレートエアフォース〜最近Commemorative Air Forceに改名)、更には民間旅客機定期便まである空港で、航空ショーも「何でもあり」という感じだ。

・NASA,現用軍用機の地上展示(AH-64,F-16,F-15E,F/A-18F,F-14,F-4,B-1他)

・大戦機、旧型機計約100機の地上展示と飛行。特に同時に100機が飛行を行うのは圧巻

・第二次大戦航空戦の再現。これはコンフェデレートエアフォースの本拠地Midland(別項参照)の航空ショーの内容をちょっと簡略化したもの。

・現用機のデモ飛行。本来F/A-18F、F-14、AH-64、F-117、C-17なども予定されていたのだが同時テロの影響かキャンセル(穴埋めの為民間機デモを飛び入りで増やした)。
しかしF-16、B-2のデモはあった。

・民間デモはご存知ショーンタッカー、エアロシェル(T-6テキサン4機)など。

大都市ヒューストンから車で20分に位置する為人出はスゴく、撮影場所確保の為開門8時前に折りたたみ椅子持参で出かけた。飛行展示は10時半頃からボチボチ始まり、12時半〜4時までが本格的・本命の飛行なので地上展示を撮影する時間は充分ある。
殆どの大型機は機内見学が出来る。特に大戦機の爆撃、輸送機は一機あたり$1〜5の寄付金で中が見れるがこの様な機会は日本では滅多に(絶対に?)無いので貴重な体験。
ショー飛行の基準となる滑走路が17-35方向に走り、会場がその西に位置するため、午後からの撮影が順光でGood。
航空ショーの時の管制は119.6MHzを使用。エアボスはMidlandのコンフェデレートエアフォース航空ショーと同じ人だ。テキサス訛りが飛び交うのも同じ。
Midlandの航空ショーと内容が似ているのでどちらに行くか迷うが、どちらか選べと言われれば光線が終日順光、飛行展示の量が多くナイトショーもあるMidlandを推奨する。
しかしヒューストンの方がNASA所有機、現用軍用機、大戦機など地上展示が充実しているのも事実。


(写真をクリックすると高画質・サイズの大きな画像が見られます)

Aeroshell T-6
T-6練習機4機を使ったエアロシェルのアクロチーム。
古い練習機という性能のハンデを感じさせない優雅な演技だ。
A-10 nose art
朝日を浴びてまだ眠そうなブタ....じゃあ無くて猪の口。
機体は USAF 917WG 所属のA-10A (79-0145 / BD)。
F/A-18 NASA
ヒューストンといえば何と言ってもNASAだ。
グレー系の迷彩を見慣れたF/A-18もNASAの塗装だと妙に新鮮。
この機体、F/A-18A型 Bu.161519 / N843NA で、元ブルーエンジェルス使用機。
Super Guppy NASA
こ、これは....宇宙人!?
NASAのスーパーグッピー N941NA の機首アップ。
B-2
旋回中のB-2A "Spirit of Texas" (88-0328 / WM) は 509BW 393BSの所属。
平面形はブーメランかバットマンのマークか....
Continental Express
コンチネンタル・エキスプレスの定期便。
機種は仏伊英共同開発の乗客46人乗りのAerospatiale ATR 42-300型 (N14828)
F/A-18
これは超レアな、USNTPS (U.S. Navy Test Pilot School)のF/A-18B (Bu.161357 / 01)
USMC
海兵隊塗装でM-60機銃も付いているシコルスキーUH-34D (Bu.581336 / N362YL)
地上展示を終えて日曜日の夕方、帰投の為エンジンをスタートした所。
P-47 F-86 F-16
第二次大戦のP-47、朝鮮戦争のF-86、現代のF-16という3世代の戦闘機による編隊飛行。
手前から
・P-47D "Tarheel Hal" (NX4747P)
・F-86F (NX86FR)
・F-16CJ-50-CF USAF 78FS (93-0552 / SW)
F-86はヨーロッパで活躍したアクロチーム「スカイブレイザース」の塗装。
欲を言えばベトナム戦争の戦闘機も一緒に飛ばして欲しい所だが、この世代の戦闘機は軒並み退役し、個人での維持が殆ど不可能な領域でもある。
T-34 formation
大変充実している練習機の編隊飛行。
これはT-34メンターのフライバイ。
塗装もまちまちだ。
航空自衛隊塗装は Beech A45 (N44Y) で Jay Cullumの操縦。塗装を誉めたらコックピットを見せてくれた。
A-26 invader
見事なフォトパスで背中を見せるA-26B インベーダー "Spirit of Waco" (41-39427 / N240P)
Tora Tora Tora ! Zero replica
真珠湾攻撃を再現した「トラトラトラ」のデモ。
レプリカのゼロ戦が最初の編隊通過すると同時に地上に仕掛けた爆薬が炸裂し、アメリカ人は60年前同様にビックリする。
左から、AI-111 / N4447, AI-113 / N15799, AI-114 / N15797, AI-115 / N11171, AI-112 / N9097。
結果として「宣戦布告前の攻撃」となってしまった真珠湾攻撃だが「諸般の事情により」宣戦布告が遅れた、また暗号解読により攻撃自体を予測していたという事実を知るアメリカ人は意外と少ない。
Tora Tora Tora ! Zero attack
ヒューストンのショーでは地上に大戦当時の米軍車輌と兵士を配置し、「応戦」する。
結局日本軍の攻撃でバタバタと倒れてしまうのだが、この倒れ方が大げさでまわりの人は大喜びしていた。
他の航空ショーで「トラトラトラ」を見たときは、アメリカ人は「ムッ」としていたのに...さすが都会の人は心が広い。
Tora Tora Tora ! Kate
攻撃が終わり帰路に着く97艦攻レプリカ (AI-313 / N3242G) 。
少し前の話だが、私が日本に10日間程一時帰国した時、パスポートの更新をしようと思ったが14日かかる、と言われたので諦めた。
結局アメリカの日本領事館で申請したのだがこちらの方が断然早く、7日で出来た。
60年前に文書処理が送れたことに対する反省で早くなったのか....
B-25 sand color
東京初空襲 Doolittle raid のデモで飛行するB-25J "Hoosier Honey" (44-28932 / N3476G)。
本当は、東京空襲の時の塗装は上面オリーブドラブ、下面ライトグレーの塗装なのだが今回はマチマチ。
これはサンド塗装。
B-25 invasion stripe
白黒のインベージョンストライプが鮮やかなB-25J "Axis Nightmare" (45-8898 / N898BW)。
B-25 USMC
海兵隊塗装のB-25J "Devil Dog" (N9683C)
同機は最近着陸時操縦ミスにより小破してしまった。
B-25 bomb bay door open
B-25J "Show Me" (N3481G) って、一体何を見せろと言うのか?深く考えてしまう。
爆弾槽ドアを開けている。
F4F and Zero dogfight
ミッドウェー海戦のデモで、レプリカのゼロ戦とF4Fワイルドキャットが空中戦を演じる。
ワイルドキャットはFM-2型でBu.86746 / N6290C。
Zero and F4F dogfight 追うもの、追われるもの....
Avenger fly-by
TBM/TBF アベンジャー。
大戦中、ブッシュ前大統領(親父の方)が偵察型アベンジャーに搭乗していて撃墜され、パラシュート降下した話は、ブッシュの地元だけあり「大武勇伝」として伝えられている。
この写真、ノートリミングです。こんなに近くてFAAは何も言わないの?
Helldiver
唯一飛行可能なSB2C-5ヘルダイバー (Bu.83589 / N92879)が爆弾槽ドアを開けながら飛行する。
ダイブブレーキには無数の穴が空いているのが判る。
Spitfire
「大英帝国を救った」スーパーマリン・スピットファイア。
結構好きな機体だがデモフライトはちょっと遠くて残念。
機体はMk.XVIe (TE392 / N97RW)
He-111
スペイン製のハインケルHe-111 (CASA211 H-16 N72615)。
映画「空軍大戦略」に大量出演していたが、もはや飛行可能なのはこの機のみ。
この機体はスペインのフランコ大統領の専用機として使われていた。
Ju-52
波板が無骨さと同時に何とも言えない哀愁を感じさせるドイツのユンカースJu-52。
これもスペイン製で Casa 352.L 型(N352JU)。
B-17 Thunderbird
B-17G「サンダーバード」"Thunderbird"(44-85718 / N900RW)
つや消しオリーブドラブの塗装がシブイ。
スミソニアンNASMの大戦機展示室の壁画(キース・フェリス画)にも描かれている機体。
B-17 Texas Raiders
もう何年も塗りなおしていないのか、塗装のハゲやオイルの染みが目立って凄みのあるB-17G"「テキサス・レイダース」Texas Raiders"(44-83872 / N7227C)。
現存する大戦機の多くがピカピカの戦闘機なのとは対照的。
とても良く出来た模型のウェザリング塗装みたい....ってこれは本当のウェザリングか。
Kingcobra
これは珍しい、P-63Fキングコブラ (43-11719 / N6763) のデモフライト。
エンジンを翼上におき、ギアとシャフトでプロペラを駆動するミドシップだ。
この角度からは、自動車の様な乗降ドアと、その背後の排気管など良くわかる。
B-29 FiFi
現在唯一飛行可能なB-29 "FiFi" (44-62070 / N529B)のフライバイ。
B-29が飛んで来ると母は疎開先で防空壕に隠れていました。父は疎開先で飛行機雲に見とれていました。
あれから57年後、ドラ息子は写真を撮って喜んでいました。


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