パトルイユスイス
アルプスとハイジとアーミーナイフとフォンデューと銀行と国民皆兵の国、スイスを代表するアクロチーム。おっとハイジはドイツ人の作品か。ドイツでもアニメ放映してます、DVD売ってます...ってことはどうでもいい。 このチーム、1964年結成で、以降30年間、ホーカーハンター戦闘機を使い続けた。 単一機種をこれほどまでの長期間、アクロ飛行に使い続けたチームは他に例を見ない。 1995年に機種をF-5EタイガーUに変更。ヨーロッパにありながら、バリバリにアメリカンスタイルのチームである。 実はこのF-5Eパトロイユスイスと、昔の日本のT-2ブルーインパルスは共通点が多い。 双方とも、使用している機種は超音速で必ずしも旋回性能は良くない、6機編成、パイロットはアクロ専任ではない、塗装は一般公募によるもの、など。 しかし実際にパトルイユスイスのショーを見てみると、似たような条件ながらいかにパトルイユスイスが工夫していて、T-2ブルーインパルスがヒドかったか判る。 パトルイユスイスはジョインナップのために時間をロスする開花系の演技を最小限に抑えて、編隊の組替えを中心に、ソロが間に入る構成をとっており、編隊とデュアルソロのオーソドックスな構成ながら、演技の間に退屈することは無い。 さすがにサンダーバーズ程のスピード感は無いが、アメリカンスタイルをベースに編隊のバリエーションを重視するヨーロピアンタッチが加わった感じで、個人的にはサンダーバーズよりも見ていて面白いと感じる。「コークスクリュー」や「フレア発射」もある。 初めてパトルイユスイスを見たのは2004年9月にスイスのパイェルヌで行われたAIR04。 光線状態の悪くなってきた場外を出て、滑走路エンドの駐車場から見たのだが、絶えずどこかに編隊は見えていて、高Gをかけ続けて一生懸命旋回して、観客を退屈させない様に気を使っている。 これに対して、一度目の前を通り過ぎたら次に何時登場するか判らないT-2ブルーインパルス(実際私はその間眠ってしまったことがある!)は全く日本国民を馬鹿にしていた。 スイス国旗をベースにした赤と白の塗装は上下面の区別が良く付き、特に下面のスイス国旗は騎士を思わせるスマートさ。見事なまでに2色しか使っていない極めて洗練されたデザイン。これに比べ航空史上最悪としか言いようの無いT-2の塗装デザイン.... ヨーロッパにしては珍しく白一色のスモークだが、これは赤白だと隣国オーストリア国旗になってしまうからか、あるいは環境問題にうるさい観光立国スイス故なのか? 結局パトルイユスイスを褒めてるのかT-2ブルーインパルスの悪口を言ってるのか判らなくなってしまった。過ぎてしまった事を言ってもしょうがないが、しかしあの時私が払っていた税金の、T-2ブルーインパルス分は弁済して欲しい。 どうしてT-2ブルーインパルスのような酷いチームが存在出来たのだろうか?おし〜えて〜、おぢいさん!
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アクサルプの航空ショーで、谷間を這うように飛行するパトルイユスイス。
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右に抜けるダイアモンド編隊。センターパイロンは常時取り付けられている様だ。
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編隊を組替えながらのロールに入る。
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腹にはスイス国旗が描かれている。
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お約束の交差。
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レフトエシェロンで旋回する。パイロットも機体も実戦部隊を兼業している為、機首に装備された機銃が光る。 場外からの撮影。
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上と同じ編隊。こちらはアクサルプにて撮影。
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フィナーレは開花と同時にフレアー放出。 |
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地上展示された予備機。とはいってもポジションナンバーがないのでどうにでも入れ替えできるみたいだが。 上面白、下面赤を基本にした塗装はとてもスマート。 塗装デザインは新聞紙上での一般公募らしい。ちなみに同じく公募によるT-4ブルーインパルスの塗装も上下がハッキリと判って良かった。 エアインテーク後にはチームのインターネットアドレスが書かれている。軍用チームとしては世界初だろう。
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パトルイユスイス@アルバイト中。 アクロ飛行ではなく、標的曳航機として航空ショーに参加。 胴体下ラックに付いているのはドローンのユニット。ここからオレンジ色の吹流しみたいなドローンが出てくる。 この機体、よく見るとインテーク横のインターネットアドレスが書かれていない。 詳しくはAxalpの写真参照。
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PC-7チーム
スイスのルフトバッフェ(空軍)にはパトルイユスイスの他に、もう一つ、1987年に新設されたPC-7チームがある。 1つの空軍で2つの常設チームを持つという贅沢さ。ただしPC-7チームもパトロイユスイスも、パイロットはアクロ専任ではない。 機体はピタラスPC-7というスイス自国製の練習機。ピタラスのプロモーションチームか、ともとってとれるが、実際発展型のPC-9は米空軍(テキサンU)を含め売り込みに成功している。 スモークを引かず、編隊飛行のバリエーションを中心に見せるチームだが、さすがに9機構成、低速、小旋回半径だけありじっくりと演技が見られる。逆に言うとスピード感に乏しい。 永久中立国スイスは、その永久中立を守る為に絶え間ない努力をする。国民皆兵もその一環。仕事でスイス人担当者に会おうとしても、「来週からしばらく軍事訓練で居ないから」と言われることがある。 第二次大戦中、スイスは枢軸の国及びその占領国に囲まれながら最後まで中立を通した。 冷戦が終結し、ヨーロッパがEU化、ボーダーレス、通貨統一に向かって動き出した現在も国家、通貨、軍備の体制を変えないスイス。 日本は過去60年に渡り全く戦争をしていない、今や世界的に珍しい国になってきたが、むしろ隣国の情勢など緊迫度は最近増している。でも相変わらず国会も国民も平和ボケ全開。 軍備に対する意識は日本、スイスとでは天と地の差がある。 2つのアクロチームを持つスイスの国防と兵器産業の意識は何を意味するのか - 過剰防衛としか思えないスイスと、超々平和ボケの日本。どちらが良い悪いという問題ではないが、しかしこの差は本当にどこから来るのか?おし〜えて〜、おぢいさん!
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スイス空軍のデモ用F/A-18(F-18C)と編隊飛行するPC-7チーム。 スイスのパイェルヌにて。
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見事にそろった9機によるビッグダイアモンド編隊。
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編隊でターン中。
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PC-7のソロによるパス。キャノピーの巨大さが目立つ。
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交差!なのだが...ちょっと低速。おかげでタイムラグの掴みにくいコンパクトデジカメでも撮れた。オランダ空軍フォーケル基地にて。 |
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着陸して挨拶するパイロット達。 所詮ヨーロッパのチーム、ウォークダウンなど期待してはいけない。 所詮スイス人のパイロット、愛想なんて期待してはいけない。(いや、別にスイス人嫌いな訳ではないですが。親切な人も多いし。)
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